不妊治療の基礎知識

日本での不妊治療 統計
子どもが欲しいのに、なかなか授からない、不妊症。
(避妊をせず健常の性生活を送っているにも関わらず、2年以内に妊娠しないものを不妊とする。と定義されている)

日本国内で不妊治療を受けている患者様は約47万人と推計されています(2002年度厚生労働省科学特別研究)。

避妊しなければ、1年以内に約80%のカップルが、2年以内に約90%が妊娠するといわれているため、残りの10%が不妊症です。

約10組に1組が不妊治療で悩んでいるという統計が出ています。
不妊の原因
不妊症の要因は男女ともに持っており、その割合はほぼ半々といわれています。

男性側の原因は
・精子の数が少ない
・精子の運動量が少ない
が主な原因です。

他には
・無精子症
・勃起不全(ED)
などが挙げられます。

女性側の原因は
・ 排卵に問題がある排卵因子障害
・ 卵管が狭くて卵子や精子、受精卵が卵管を通過できない卵管因子障害
・ 子宮に問題がある子宮因子障害、子宮の中に精子を入りやすくさせる頚管粘液の量が少ない頚管因子障害
・ 卵子の老化 卵子は30代半ばになると、元気がなくなり、妊娠確率が下がります。⇒30歳を超える方へ

20代で未受精卵の卵子保存をしておくと、40代になっても妊娠確率は、卵子を保存した20代の妊娠確率です。

・受精卵の異常
遺伝子異常がある受精卵が着床しても、流産する確率が高く、妊娠する確率が下がります。
妊娠したとしても、なんらかの障害を持って生まれる可能性があります。⇒最先端着床前診断(aCGH)
タイでの不妊治療
日本人のタイ渡航者数は、年間で約153万人以上です。
またタイでの医学的治療を目的とした渡航者も年々増加現象にあります。
タイでの不妊治療もその一つです。

現代のバンコクの私立病院の治療レベル、衛生面や、病院施設は日本に比べて大差はありません。
医師の2~3割はアメリカ、ドイツ、日本からの留学生で、最新技術や設備、医薬品等を常に先進国から受け入れています。

また、費用は日本に比べて大幅に安い為、タイ在住者の利用にとどまらず、日本から治療目的で来タイする人が増えています。
日本人が多く利用するので日本人の扱いにも長けています。

問題のコミュニケーションは、弊社通訳送迎スタッフがサポートをさせて頂きます。
病院・医師 紹介
【aCGH】エーシージーエイチ 最先端着床前診断
array Comparative Genomic Hybridizationの略で着床前診断で使われます。

24の全染色体に対してゲノムDNAを正常かどうか?短時間で確認する方法です。
世界最先端の染色体チェック技術で、アメリカからの技術です。

少し前までは、PGDでの男女産み分けが多かったですが、現在はaCGHの方が人気です。
aCGHだと、妊娠率が上がり、流産する確率が下がります。

また、日本では未婚者で未受精卵子を保存したい場合はガン患者のみ適用です。
未受精卵子凍結保存は、すべての女性を妊娠させる技術ではなく、
20〜30代前半にガラス化法により保存した自己卵子で40代でも妊娠可能になる技術です。
【IVF】アイブイエフ 体外受精
In Vitro Fertilization の略で体外受精という意味です。

生殖医療における体外受精(たいがいじゅせい、英: In Vitro Fertilization, IVF)は、不妊治療の一つで、通常は体内で行われる受精を体の外で行う方法。

受精し分裂した卵(胚)を子宮内に移植することを含めて体外受精・胚移植(IVF-ET)という。
【ICSI】イクシー 顕微授精
Intracytoplasmic sperm injection の略で顕微授精という意味です。

顕微受精 は受精を顕微鏡を使い、卵子1個に精子1個を直接注入します。

受精を体外で行うので顕微受精も体外受精の一部といえますが、採取した卵と精子の受精を人為的に行う体外受精(IVF)よりも顕微受精は一歩踏み込んだ不妊治療です。

現在は極細のガラス菅に精子を1個だけ吸引し、卵の細胞質内に注入するICSI(イクシー)が世界的に主流になっています。
【FET】エフイーティー 凍結胚移植
Frozen Embryo Transferの略で凍結胚移植です。
高度生殖医療技術です。

凍結胚移植は、一度冷凍保存し、体のホルモンの回復を待ち、一番妊娠しやすい時に移植する方法です。
少し前までは、IVF-ETが主流でしたが、現在はICSI-FETの方が妊娠確率が高い事が分かってます。
【ET】イーティー 胚移植
Embryo Transferの略で胚移植です。
通常の胚移植は、受精し細胞分裂した卵(この時期を胚とよびます)のうち、良好な胚を原則1つ選び子宮の内に注入します。
【PGD】ピージーディー 着床前診断
Preimplantation Genetic Diagnosisの略で、aCGHの技術が開発される前に、男女生み分けで使われていた着床前診断です。

ICSI後、3日目にセルをチェックして診断していましたが、この方法だと、受精卵の中のセルの数が少なく、一部のセルしかチェックできませんでした。

aCGHは5日目にチェックします。
5日目にチェックすることにより、ほぼ全てのセルを確実にチェックし、遺伝子異常を見つけます。
なので、健康な子がほぼ確実に生まれます。

日本では、ダウン症患協会、産婦人科学会などが、命の選別につながるとして、原則禁止されています。
aCGHの妊娠率は、約7割です。
PGDの妊娠率は、約4割です。

aCGH、PGDを行わない場合、約2~3割です。
上記結果を見てわかるように、遺伝子異常をより正確にチェックする事により、流産する確率を減らせます。
【ガラス化法】
ガラス化冷凍保存
リプロサポートメディカルリサーチセンター 桑山正成 博士により開発された日本発の世界初の技術です。

未受精卵は受精卵に比べて保存が難しく、通常のやり方で凍結しても、解凍後の卵子の生存率は約3割に満たず、 ICSIで出産に至る確率はわずか2%以下とされていました。

桑山先生が開発したガラス化法は、 零下196度の液体窒素で凍結保存し、卵子などを壊さず一気に凍結します。

解凍後の未受精卵の生存率が98パーセントとなり、冷凍前の生存率とほぼ同じです。