様々な家庭・家族の在り方、そして子作り・子育てのカタチがある現代。
実際にどのような家族・家庭・子作り・子育てがあるのか?を紹介していく【FTM父になる。】シリーズ第四弾のインタビューはMASAKIさんです。
トランスジェンダー子作りインタビュー vol.4 MASAKIさんの場合
■現在の家族構成を教えてください。
僕(34)
妻(僕より年上)
息子(1歳9か月)
■子どもを持つということに関して奥様と話し合われたと思いますが、どのように話しましたか?また、その選択をした理由を教えてください。
まず奥さんの年齢が高齢ということもあり、産む産まないの選択をする時間がなかった為、一年トライしてみようという話になりました。
そしてどうやって作るかの話し合いをしました。何度も話し合い、僕の兄の精子をもらうという結論になりました。
第三者(兄弟)からの精子提供
■お兄様から精子提供を受けようと思った理由を教えてください。
奥さんは血の繋がりを大事にしたいということと、時間も限られていたので近くにいる兄にお願いすることにしました。
■お兄様へお話しされた時の反応を教えてください。
実は前に交際していたパートナーとの時にも話したことがあるんですが、その時は反対されました。だから今回はちゃんと入籍して、子供をどのように作って、どのように育てていくかしっかりプランを伝えたところOKをもらうことができました。
■お兄様から精子提供してもらうことに関して、何か葛藤などはありましたか?
奥さんは第三者の精子提供で子供を作ることに抵抗がある人ではなかったし、兄も精子提供をOKしてくれてからすごく協力的でした。もしどちらかが、または2人とも不安になっていた・・・とかがあれば僕も「本当にこれでいいのかな?」と思ったと思いますが、ありがたいことに2人のお陰で子作りについて葛藤することはなかったです。
妊娠・出産に至るまで
■実際に奥様が妊娠されるまでの過程を教えてください。
最初はセルフのシリンジ法を試しました。兄の自宅に行き、精子をもらっていましたが…半年トライしてもうまくいきませんでした。
兄も奥さんも精神的にも体力的にもキツくなってきてしまったので。
病院に相談をして、人工授精でトライすることになり一回目で成功したのが今の息子です。
■お子様には、生まれてきた経緯を話しますか?
いろんな方のお話を聞いたりした調べた結果、物心ついてからのカミングアウトはリスクが伴う可能性が高いという結論に至り、息子が物心つく前に全てを伝えようという話をしています。
■今回の選択をされる中で、困ったことや苦労したことがあれば教えてください。
子作りで一番大変なのはスケジュール合わせです。
自分のコンディション、相手のコンディション。仕事もしていると余計に大変でした。
僕は精子を提供するわけでもなく、産むわけでもなかったので兎に角、2人のサポートに徹しました。
Message
■これから子どもを迎え入れられる予定の方、また考え中の方へメッセージをお願いします。
僕たちは最初血縁関係にすごくこだわっていましたが、しかし周りのLGBTで子供を授かっている方々を見ていると…血は関係ないんだと思いました。
みんな同じように愛し育ててます。
命をかけれるほど愛しいと言ってます。
どれだけ愛を持って育てるかが一番大事なことで、それを感じながら子育てに励んでいます。
子作りで悩むところは沢山あるかと思いますが、僕の経験談が少しでも何かの参考になれば嬉しいです。